活動状況(概略)
「JDA・全国ネットワーク」は、2002年2月6日付けで、片山総務大臣宛に「低料
第三種郵便物制度の存続」に関する「要望書」を提出しているが、さる12月日、
再度同趣旨の要望書を提出することになった。
これは、今年度(2003年4月)に発足する郵政公社が、民営化の流れの中で事
業運営することになり、社会政策的な視点での「低料第三種郵便物制度の存
続」に影響を与える危険性がある、という認識から行ったものである。
当日、片山大臣は、国会審議のため不在となり、急遽、團 宏明郵政企画管
理局長に、大臣宛の要望書を託すことになった。当ネットワークも、荻野会長
が急に入院することになり(現在すでに退院している)、伊東弘泰専務理事が
会長代行として、他の役員を含めた10名で、團局長にお会いして「要望書」を
手渡した。

「要望書」の趣旨は、「低料第三種郵便物制度の存続」が、@障害当事者団
体の維持・存続」に必要不可欠であること、A障害者一人ひとりの「社会参
加と日々の生活のQOLの維持・向上」の生命線にもなっており、2003年4月
の郵政公社発足後も、この制度を堅持してもらいたい、というものである。
具体的には、2002年7月に成立した日本郵政公社法案および日本郵政公社
法施行法案の下記の「付帯決議」を遵守してほしい、という内容である。
「総務省および日本郵政公社は、郵政法第26条第2号及び第3号の盲人用
郵便物について、無料の取り扱いとするとともに、心身障害者のための政策
的軽減料金の維持に特に配慮すべきこと。」
この「要望書」の要点について、伊東専務理事より説明し、続いて当日出席
した妻屋常務理事、熊本常務理事、大濱常務理事、長谷川常務理事、新田
常務理事の各氏からも、それぞれ「低料第三種郵便物制度の存続」の必要
性と重要性を強調した。
この当会の「要望書」について、團局長は、「個別の料金体系については、
原則的には郵政公社が決めることである。しかし、“付帯決議”があるわけで、
この点を受けて法関連の整備を行っているところだ。この制度が大変大事な
制度であることは認識している」と、大変前向きの姿勢を示した。
最後に、伊東専務理事より、次の二点の発言があった。
1.当「障害者差別禁止法(JDA)を実現する全国ネットワーク」としては、本
来ならばこのような「障害者だから郵便料金を割り引いてほしい」というお願
いはすべきではない、と考えている。他の人と同じように料金を払うべきであ
る。ただし、現在障害者が受けている「社会的なハンディ(いわれなき差別)」
の中では、“割引”を認めてもらわざるをえないのである。例えば、障害者の
生活基盤であるべき「雇用」については、「障害者の雇用の促進等に関する
法律」があって、企業は「1.8%の法定雇用率」を守ることになっている。
しかし、現実は、「未達成企業の割合が56.3%」という、信じられないような数
字になっているのである。法定雇用率は、単なる“努力義務”に過ぎない。
このような社会環境の中で、障害当事者は経済的に困窮しているのである。
世界では、すでに45カ国に「障害者差別禁止法」がある。残念ながら、日本
では“大国”にもかかわらず、「障害者差別禁止法」がなく、このような“差別”
が横行しているのである。この「いわれなき差別」がなくなるまでは、「特別な
配慮」をしていただきたい。
2.また、先の「国会付帯決議」の中に、「心身障害者」という言葉があるが、こ
れは、すでに何年も前に、法律用語としては「障害者」に統一されて(改められ
て)いるものである。総務省のみの責任というつもりはないが、以後十分な配
慮をしてもらいたい。
この指摘に対して、團局長は、「二点のご趣旨は分った。前向きに取り組んで
いきたい」との趣旨の発言を得て、総務省との会見を終えた。