■障害のある600万人の市民宣言―「障害者差別禁止法(JDA)」の制定を実現する―
日本国憲法は、個人の尊厳と法の下の平等を保障している。また、障害者の権利宣言(1975年国連採択)は、「障害者は、人間としての尊厳が尊重される権利を生まれながらにしてもち、同年齢の障害のない市民と同等の基本的権利をもっている」という趣旨を、明確に宣言している。しかし、依然としてわが国では、障害のある人への差別が根深く存在し、その権利は尊重されていない。
わが国600万の障害のある人びとは、日々いわれなき「差別と権利侵害」の中で、苦しみながら生きている。世界ではすでに40カ国を上回る国で制定され、かつ2001年8月には、国連から制定を勧告されている「障害者の差別を禁止する法律」が、わが国においてはいまだ実現していない。にもかかわらず、日本政府は何らの取組みもしていない。このことに、強い怒りを感じる。本会は、この現状を早急に打開すべく、立ち上がった。
本会は、障害のある人が何ら差別なく人権を保障され、自らが権利を行使し、義務を果たすことができるよう、必要な法律を制定し、社会のあらゆる場面において「完全参加と平等」が実現されることを目的とする。そのため、根幹となる法律(仮称・障害者差別禁止法)を、2004年12月9日(障害者の日)までに実現すること、を目指す。この法律の制定により、わが国の障害のある600万人の「市民としての人権の確立」を、強く願う。
本会は、「障害のある人」、「障害のある人への差別」、「障害のある人に対する差別の原因」について、以下のように考える。
| 1. | 障害のある人とは、精神的、知的または身体的な損傷・疾病および外観的な状態などの原因によって、日常生活や社会生活で、制限(不利益)を受ける状態にある人をいう。また、「過去に障害があった人」、「将来、障害があるだろう とみなされる人」も含む。 |
| 2. | 障害のある人への差別とは、日常生活や社会生活で、障害を理由に障害のない人よりも不利に取り扱うことをいう。さらに、差別には、環境の整備や改善を怠ったために、障害のある人が不利益をこうむる場合も含む。 |
| 3. | 障害のある人に対する差別の原因とは、障害は個人の事情によるものではない。むしろ、社会一般の見方、考え方、諸制度、慣行、機能、サービス、物理的なバリアなど、障害のある人を取り囲む社会的な環境にこそ、差別の根源がある。 |
■障害のある600万人が 人間として生きていくための「7つの宣言」
1.障害のある人が、障害のない人と同等に、その障害によりいかなる差別も受けることなく、人間としての尊厳を保持し、生き甲斐をもって暮らすことができる社会を実現する。
2.障害のある人が、障害のない人と同等に、その障害によりいかなる差別も受けることなく、「一人ひとりのニーズに基づいた教育」を受けることができる社会を実現する。
3.障害のある人が、障害のない人と同等に、その障害によりいかなる差別も受けることなく、働く機会と権利が保障される社会を実現する。
4.障害のある人が、地域社会で自立して生活していくために必要な、あらゆるサービス(住宅、交通・移動、各種施設、情報、医療、リハビリテーションなどに関連するサービス)が、障害のない人と同等に、その障害によりいかなる差別も受けることなく利用できる社会を実現する。
5.障害のある人が、障害のない人と同等に、その障害によりいかなる差別も受けることなく、参政権が行使できる社会を実現する。
6.障害のある人が、障害のない人と同等に、その障害によりいかなる差別も受けることなく、裁判ならびにあらゆる司法サービスを受ける権利が保障される社会を実現する。
7.上記の諸権利を実質的に確保するために、障害のある人が過半数を占める「障害のある人の権利を守る機関」を設置する。
以上のとおり宣言する。
2003年3月17日
障害者差別禁止法(JDA)を実現する全国ネットワーク
会 長 荻野 昭二
(構成団体名)
・社団法人全国脊髄損傷者連合会
・特定非営利活動法人日本アビリティーズ協会
・社団法人日本リウマチ友の会
・特定非営利活動法人日本せきずい基金
・日本ALS協会
・障害者の生活保障を要求する連絡協議会<障害連>
・全国頸髄損傷者連絡会
・全国ポリオ会連絡会
・全国パーキンソン病友の会
・特定非営利活動法人日本国際福祉交流センター
・財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金
・特定非営利活動法人在宅ケアを支える診療所市民全国ネットワーク