活動状況


◇訴訟の根拠法になる『障害者差別禁止法』が絶対必要!

伊東弘泰専務理事が「アジア太平洋障害者の十年記念フォーラム」で強調

8月31日、猛暑の中、全社協・灘尾ホール(東京、新霞が関ビル)に、車いすの障害当事者など約300名が参加して、「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラムが開催された。
「障害者差別禁止法(JDA)を実現する全国ネットワーク」からは、伊東弘泰専務理事がパネリストとして参加、この課題にかける意欲と取り組み姿勢を訴えた。2時間半に及ぶフォーラム「障害者の権利法・差別禁止法に関わる取り組み」には、伊東専務理事を含め6名のパネリスト(各障害当事者団体の代表)が出席し、北野誠一桃山学院大学教授がコーディネーターとして、熱気のこもった議論のとりまとめを行なった。

訴訟の根拠法となる「障害者差別禁止法」が絶対必要!
(伊東弘泰専務理事の発言より)

「障害者差別禁止法(JDA)を実現する全国ネットワーク」は、2001年の障害者の日である12月9日にスタートした組織である。その時点で、3年後の2004年12月9日までに「障害者差別禁止法」の制定・実現を図ることを目的として設立したものである。

前身は、2001年4月に創設した「障害者福祉と介護保険制度・研究会」で、介護保険制度によって後退した障害者福祉の実態を是正することが目的であった。この研究会で介護保険制度の問題点を追及する過程で、「このままでは現実の諸課題を解決することは不可能である。抜本的な問題解決のためには、”日本版ADA”(障害者差別禁止法)を実現する道しかない」ということになった。

障害当事者団体である社団法人全国脊髄損傷者連合会、NPO日本アビリティーズ協会、社団法人日本リウマチ友の会、NPO日本せきずい基金、日本ALS協会、全国頸髄損傷者連絡会、障害者の生活保障を要求する連絡協議会(障害連)の7団体で、スタートを切り、多くの団体の加入が続いている。

私自身が代表となっているNPO日本アビリティーズ協会は、1966年、障害者の働く場を作ることを目的に、「”保障”よりも働く”チャンス”を!」という綱領を掲げて、運動を展開してきている。私自身がポリオで、学卒時には、100社もの企業に就職試験受験の書類を送っても、すべてそのまま送り返されるという仕打ちを受けている。結局、障害者6名による株式会社日本アビリティーズ社を設立することになった。

この障害者に対する「問答無用の雇用差別」は、許しがたいものだった。ここにおられる障害者の方々も、これまでの人生で、人に言えないような、いろいろな「差別や不遇」を体験していることと思う。このような思いを、再び自分の子供や孫たちにさせてはいけないと思う。

そのような障害者への差別を禁止して、障害者自身の正当な権利を確立するためには、現行の抜け穴だらけの「障害者基本法」ではなく、障害者の正当な権利が認められるような、いざというときには訴訟に耐えられる、判決の根拠規定となる、しっかりとした法律を制定する必要がある、と考えている。当ネットワークでは、障害当事者としてのこれまでの人生で遭遇してきたさまざまな喜び、悲しみ、思いをベースにした、この法律に託す、障害者としての”基本的な精神” ”哲学” ”理念”を、憲法でいえば「前文」に当たるところに、しっかりと書き込み、「人間としての”権利性”」を、確立していきたい、と考えている。

また、この運動を推進するに当たっては、これまでの障害の種類や立場を超えて、共通の理念をつくる必要がある。また、私たちの主張が、社会全体に受け入れられるような内容でなければならない。場合によっては、これまで得てきた援助や恩典の一部を返上することもありうるという覚悟も必要になってくるだろう。

私たちは、歴史的にも、革命的な「障害者差別禁止法」を制定しなければならないと思う。

この他、金政玉(DPI日本会議)、黒崎信幸(全日本ろうあ連盟)、時任基清(日本盲人会連合/日本あん摩マッサージ指圧師会)、江上義盛(全国精神障害者家族会連合会)、野沢和弘(全日本手をつなぐ育成会)の各氏が、各々の立場から「障害者差別禁止法」の制定の必要性についての発言があった。この内容については、今後の当会報にてご紹介していく。
最後に、コーディネーター役の北野誠一・桃山学院大学教授が、「この法律の制定は、障害当事者の自由権・社会権・生存権に関わる重大な課題である」ことを確認して、散会した。